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第十回特集 小倉優香さん

この特集を見ている人たちの中に、避難所で生活したことがある人はどれくらいいるだろう。

関西の大学に通う小倉優香さんは、災害食を多くの人に広めようと活動をしている。

あなたは、災害食と非常食の違い、わかるだろうか?

災害が起きた際、一時的な食べ物を非常食といい、長期的に食べることを考えたものが災害食というそうだ。 災害が起きて困るものと考えたとき、多くの人が食べ物を思い浮かべるであろう。災害が起きてから数日間は、食べるものがあればいいと思うが、長期的になってくると栄養やバリエーションなども考えていかねばならない。

優香さんは、ビニールクッキングというお湯がない状況で作る災害食などを使い、参加者に災害食を体感してもらうワークショップを行っている。普段なじみのない乾パンとひじきを合わせて乾パンひじきを作り、そこから自分に合う味を考えてもらうことも優香さんは大事だと言っていた。

優香さんは、関西で東北の物産を販売するボランティアをしていたとき、徐々に売り上げが落ちていることを知って風化を感じた。そこに問題意識を持ち、「自分にできることはなにか」を考え始めた。 風化してしまうと、教訓(もっとこうしておいたらよかった!)が活かされなくなる。 そうなると、教訓が活かされれば助かっていたはずの命も(助けられたはずの命も)助けられない。その助けられなかった命は、誰かの大切な人の命。

「災害により大切な人を、亡くす悲しみを味わって欲しくありません。」

そう優香さんが強く思う理由は東北のこととは別にもう一つあった。

「私が実際に大切な人、私の父をなくしているから。  災害で亡くしたわけではないけれど、その悲しみは計り知れません。 そんな悲しい思いをして欲しくない。 災害でそんなことが起きないために、みんなに備えてほしい。 備えれば、助かる人も増え、悲しむ人も困る人も減る。」

みんなに備えてもらうために、風化も防ぐために私は何ができるだろうと考えていたときに、優香さんは授業で災害食に出会ったそうだ。 「私の専門分野は栄養で、それを活かせることだ!と思いました。」 これまでにビニールクッキングを3回開催し、この夏には災害食を使ったキャンプを考えている。

優香さんは、開催する中で多くの発見をし、課題にも気づくことができたという。

「東北の人たちが実際に避難所で食べたものを聞き、今後の災害食に役立てたい」

私たちが経験した東日本大震災の教訓を生かすとしたら、自分たちが取り組みやすいことからではないだろうか。 ぜひとも、優香さんの活動のために力を貸してほしい。

FBページとブログのURLは、こちら。(文字をクリックするとみることができます)

最後に

震災を経験して、きっと誰もが学んだことと優香さんが伝えたいことを書いてこの記事を終わりにしようと思う。

「失ってから気づくのでは遅い。自分もそうだった。後悔をしてほしくない。お金には代えられないからこそ、備えてほしい。」

writter 田畑


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